造影剤の硬膜外腔での拡がりと造影像の比較検討

疼痛管理の目的で持続硬膜外ブロックを施行した41症例に対し,造影剤の硬膜外腔での拡がりの検討を行なった.造影剤2mlの注入により最大13椎体,最小3椎体,平均6.9±2.6椎体の造影剤の拡がりが得られた. 拡がりが大きい症例は造影像から硬膜外腔と硬膜下腔の両腔への造影剤の注入が考えられ,これが従来に比べ拡がりが大きい原因と考えられた.ディスポーザブル針の使用の増加に伴い,硬膜下腔への薬剤注入は以前考えられていたよりも増加しているのではないかと考えられる.硬膜外ブロック施行時に麻酔域が広いときには硬膜下腔への薬剤の注入の可能性が高く注意が必要である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 113 - 118
Main Authors 鈴木, まほみ, 熊沢, 光生, 野中, 明彦, 中込, 昌子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1992
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.12.113

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Summary:疼痛管理の目的で持続硬膜外ブロックを施行した41症例に対し,造影剤の硬膜外腔での拡がりの検討を行なった.造影剤2mlの注入により最大13椎体,最小3椎体,平均6.9±2.6椎体の造影剤の拡がりが得られた. 拡がりが大きい症例は造影像から硬膜外腔と硬膜下腔の両腔への造影剤の注入が考えられ,これが従来に比べ拡がりが大きい原因と考えられた.ディスポーザブル針の使用の増加に伴い,硬膜下腔への薬剤注入は以前考えられていたよりも増加しているのではないかと考えられる.硬膜外ブロック施行時に麻酔域が広いときには硬膜下腔への薬剤の注入の可能性が高く注意が必要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.12.113