腹部実質臓器の超音波検査に関する研究-Echo-histogramを用いた,び漫性肝疾患における肝実質echo patternの定量的検討

び漫性肝疾患における肝実質echo patternの客観的指標として, echo-histogramを用いた定量化を試みた.対象は各種肝疾患と正常対照の計205例で,肝表面より1cm, 4cm, 7cmの3点にて肝実質のecho-histogramを測定した.深部echo減衰は腹壁が厚いほど増強する傾向がみられ,また脂肪肝では有意な減衰率の増加を認めたが,他の肝疾患では認められなかった. echo-histogram平均階調値は腹壁の厚さと有意な相関を認め,かつ疾患ごとの減衰率も異なるため, echogenicityの定量化としては,単一点の絶対値表示より,肝腎contrastの如き相対値が適...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 3; pp. 331 - 337
Main Author 木村, 俊一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1989
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.78.331

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Summary:び漫性肝疾患における肝実質echo patternの客観的指標として, echo-histogramを用いた定量化を試みた.対象は各種肝疾患と正常対照の計205例で,肝表面より1cm, 4cm, 7cmの3点にて肝実質のecho-histogramを測定した.深部echo減衰は腹壁が厚いほど増強する傾向がみられ,また脂肪肝では有意な減衰率の増加を認めたが,他の肝疾患では認められなかった. echo-histogram平均階調値は腹壁の厚さと有意な相関を認め,かつ疾患ごとの減衰率も異なるため, echogenicityの定量化としては,単一点の絶対値表示より,肝腎contrastの如き相対値が適当と考えられた. echo-histogram標準偏差を用いて肝内echoの均一性の定量化を試みたが,各疾患とも有意差は得られなかった.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.331