心内膜電極ペースメーカー植え込みを施行した修正大血管転位症の1例

症例は52才の男性.昭和56年心臟カテーテル検査にて修正大血管転位症と診断された.昭和63年4月心電図にて完全房室ブロックを指摘され, 5月20日心内膜電極ペースメーカー植え込みを施行した.術中,術後合併症もなく順調に経過した.本疾患では心室の逆位を伴い,その解剖学的特性のために心内膜電極の固定は困難と考えられ,従来心筋電極が用いられてきた.しかし,心筋電極ペースメーカーの植え込みには全身麻酔が必要で患者の負担も大きく,合併症も心内膜電極の場合より2~3倍多いとされる.本邦ではこれまでに本症患者に心内膜電極ペースメーカーの植え込みを行った報告はなく,極めてまれな症例と考え報告した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 7; pp. 934 - 938
Main Authors 柴田, 哲男, 塩津, 初壽, 佐々木, 達夫, 保浦, 賢三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1989
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は52才の男性.昭和56年心臟カテーテル検査にて修正大血管転位症と診断された.昭和63年4月心電図にて完全房室ブロックを指摘され, 5月20日心内膜電極ペースメーカー植え込みを施行した.術中,術後合併症もなく順調に経過した.本疾患では心室の逆位を伴い,その解剖学的特性のために心内膜電極の固定は困難と考えられ,従来心筋電極が用いられてきた.しかし,心筋電極ペースメーカーの植え込みには全身麻酔が必要で患者の負担も大きく,合併症も心内膜電極の場合より2~3倍多いとされる.本邦ではこれまでに本症患者に心内膜電極ペースメーカーの植え込みを行った報告はなく,極めてまれな症例と考え報告した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.934