膵リンパ管腫の1例

今回,われわれは,膵原発のリンパ管腫の1切除例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は51歳男性.主訴なく, 1994年5月に会社の健康診断で肝機能異常を指摘された. US, CT, MRIなどにより,肝下面から上前腸骨棘の高さに至るまでの巨大な嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜原発の偽粘液腫あるいはリンパ管腫と術前診断し,同年7月29日開腹術を施行した.乳白色で軟らかい腫瘍が肝下面から右側腹部にかけて存在し,膵・十二指腸に強固に癒着していたため,手術は膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は大きさ190×165mmで,嚢胞状,内容は乳白色漿液性であった.病理組織学的にはリンパ管腫で,原...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 196 - 201
Main Authors 橋本, 瑞生, 佐藤, 太一郎, 佐々木, 英二, 秋田, 幸彦, 七野, 滋彦, 北川, 喜己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.1998
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.196

Cover

More Information
Summary:今回,われわれは,膵原発のリンパ管腫の1切除例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する. 症例は51歳男性.主訴なく, 1994年5月に会社の健康診断で肝機能異常を指摘された. US, CT, MRIなどにより,肝下面から上前腸骨棘の高さに至るまでの巨大な嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜原発の偽粘液腫あるいはリンパ管腫と術前診断し,同年7月29日開腹術を施行した.乳白色で軟らかい腫瘍が肝下面から右側腹部にかけて存在し,膵・十二指腸に強固に癒着していたため,手術は膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は大きさ190×165mmで,嚢胞状,内容は乳白色漿液性であった.病理組織学的にはリンパ管腫で,原発部位は膵と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.196