術前診断できた盲腸軸捻転症の1例

術前診断できた盲腸軸捻症の1例を経験した.症例は74歳,男性.腹痛を主訴に近医を受診,イレウスの診断で治療中に腹部膨隆が著明となり紹介となった. X線検査,腹部CT検査より右側結腸軸捻転症と診断し,腹部所見が軽度であったため,まず大腸内視鏡での整復を試みた.上行結腸にて完全に閉塞しており,内視鏡より造影剤を注入するとbird's beak signが認められた.内視鏡的に整復は困難であったため,盲腸軸捻症による腸閉塞の診断で手術を施行した.開腹すると穿孔部はなく,盲腸部は腸間膜を中心に時計周りに180度捻転し小腸が盲腸の尾側より右傍結腸溝に入り込んでいた.腸管を整復,減圧したところ,...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 1; pp. 139 - 142
Main Authors 前田, 祥成, 吉本, 裕紀, 佐伯, 俊宏, 清水, 良一, 原田, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.139

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Summary:術前診断できた盲腸軸捻症の1例を経験した.症例は74歳,男性.腹痛を主訴に近医を受診,イレウスの診断で治療中に腹部膨隆が著明となり紹介となった. X線検査,腹部CT検査より右側結腸軸捻転症と診断し,腹部所見が軽度であったため,まず大腸内視鏡での整復を試みた.上行結腸にて完全に閉塞しており,内視鏡より造影剤を注入するとbird's beak signが認められた.内視鏡的に整復は困難であったため,盲腸軸捻症による腸閉塞の診断で手術を施行した.開腹すると穿孔部はなく,盲腸部は腸間膜を中心に時計周りに180度捻転し小腸が盲腸の尾側より右傍結腸溝に入り込んでいた.腸管を整復,減圧したところ,腸管の色調が回復したため腸切術をせず,盲腸・上行結腸を後腹膜に固定し手術を終了した.術後問題なく退院,現在まで再発は認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.139