一般家庭室内空気中の粒子状物質の粒径別元素組成

静岡市をはじめとする6都市の一般20家庭でPCIサンプラーを用い, 室内外における浮遊粒子の粒径別元素濃度の実態調査を行った。18元素を解析対象とした結果, 各元素の粒径別濃度には変動が大きく家庭による差が大きいことが認められた。屋外では, Sb, Pbは微小粒子に多く, Mg, Tiなどは2.5μm以上の粗大粒子にそのほとんどが含まれていた。室内では, Zn, Mo, Sb, Pbが微小粒子に比較的多く含まれていることが認められた。BaPを屋外粒子が室内へ侵入する割合を推定する指標成分として各元素の室内発生源の存在の有無を検討した結果, Mg, Mnなどの12元素は, 微小粒子では屋外濃度と...

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Published in環境化学 Vol. 11; no. 2; pp. 181 - 192
Main Authors 杉山, 智彦, 雨谷, 敬史, 松下, 秀鶴, 相馬, 光之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本環境化学会 2001
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Summary:静岡市をはじめとする6都市の一般20家庭でPCIサンプラーを用い, 室内外における浮遊粒子の粒径別元素濃度の実態調査を行った。18元素を解析対象とした結果, 各元素の粒径別濃度には変動が大きく家庭による差が大きいことが認められた。屋外では, Sb, Pbは微小粒子に多く, Mg, Tiなどは2.5μm以上の粗大粒子にそのほとんどが含まれていた。室内では, Zn, Mo, Sb, Pbが微小粒子に比較的多く含まれていることが認められた。BaPを屋外粒子が室内へ侵入する割合を推定する指標成分として各元素の室内発生源の存在の有無を検討した結果, Mg, Mnなどの12元素は, 微小粒子では屋外濃度と室内濃度がほぼ等しく, 屋外からもたらされたと考えられたが, 粗大粒子では屋外濃度に比べ室内濃度は低くなっているものの, 屋外粗大粒子の室内侵入は著しく阻害されているため, 室内発生源の存在も推察された。一方, Cu, Ag, La, Ce, Pr, Ndの6元素については, 屋外濃度より室内濃度が高くなる傾向がみられ, 室内に濃度の高い発生源があると推察された。さらに, 室内外の元素濃度より主成分分析を行った結果, 屋外においては地域ごとの特徴が反映されていたものの, 室内ではそのような特徴は認められなかった。
ISSN:0917-2408
1882-5818
DOI:10.5985/jec.11.181