1999年に羽田で捕獲されたチョウゲンボウの微量元素蓄積

1999年に羽田で捕獲されたチョウゲンボウの肝臓, 腎臓, 胸筋, 肺における微量元素濃度を測定し, その蓄積特性と体内分布を検討した。FeとMnは肝臓に蓄積していたが, 他の元素はおもに腎臓と肺で高濃度が認められた。Al, V, Ga, Baは肺で高値を示し, 大気由来の曝露が考えられた。また, Biも他の器官と比べて肺において高濃度で検出された。 Crは分析に供した全組織において加齢と供に減少し, Vは腎臓と肝臓, 肺において加齢とともに減少した。またNiは肝臓と肺において加齢とともに増加したが, 腎臓と筋肉において減少した。 雌雄差に関して, オスはおもにアルカリ, アルカリ土類金属元素...

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Published in環境化学 Vol. 13; no. 3; pp. 719 - 732
Main Authors 宝来, 佐和子, 渡邉, 泉, 久野, 勝治, 田辺, 信介, 岩水, 良和, 本村, 健, 平岡, 考
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本環境化学会 2003
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Summary:1999年に羽田で捕獲されたチョウゲンボウの肝臓, 腎臓, 胸筋, 肺における微量元素濃度を測定し, その蓄積特性と体内分布を検討した。FeとMnは肝臓に蓄積していたが, 他の元素はおもに腎臓と肺で高濃度が認められた。Al, V, Ga, Baは肺で高値を示し, 大気由来の曝露が考えられた。また, Biも他の器官と比べて肺において高濃度で検出された。 Crは分析に供した全組織において加齢と供に減少し, Vは腎臓と肝臓, 肺において加齢とともに減少した。またNiは肝臓と肺において加齢とともに増加したが, 腎臓と筋肉において減少した。 雌雄差に関して, オスはおもにアルカリ, アルカリ土類金属元素を蓄積しており, メスはMn, Fe, Cdを比較的高濃度に蓄積していた。 他の鳥類と比較した結果, Mn, Fe, Rb, Cs, Tl, Hgの高レベルは猛禽類の特徴と考えられ, 他の猛禽類と比較すると, 本種はV, Mn, Cs, Tl濃度が高値であった。
ISSN:0917-2408
1882-5818
DOI:10.5985/jec.13.719