HB Ag-Ab反応系に関連するが全く異なると思われる一抗原抗体反応系について (第1報)

われわれは一昨年来HB Ag陽性の供血者血清を二重免疫拡散法で観察している時, 時として, 陽性血清同士の間で鮮明な沈降線が生ずることを経験していた. われわれはかってHB Agの検索を行なっている時に, 抗Ag(x)および抗Ag(y)と思われる血清に遭遇していた(川井ら1))ので, これらも抗Ag系に属するものと考えていたが, HB Ag陰性血清に対しては陽性反応を示すものがなかったので一時追求を中止していた. ところが, その後Magniusら2, 3)はHB Ag陽性の供血者血清中に抗体があって, おなじくHB Ag陽性の血液透析をうけている患者血清に抗原が殊に高率にみいだされる新抗原抗...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 19; no. 4-6; pp. 158 - 160
Main Authors 村上, 省三, 川井, 成子, 堀越, 享
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1973
日本輸血学会
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Summary:われわれは一昨年来HB Ag陽性の供血者血清を二重免疫拡散法で観察している時, 時として, 陽性血清同士の間で鮮明な沈降線が生ずることを経験していた. われわれはかってHB Agの検索を行なっている時に, 抗Ag(x)および抗Ag(y)と思われる血清に遭遇していた(川井ら1))ので, これらも抗Ag系に属するものと考えていたが, HB Ag陰性血清に対しては陽性反応を示すものがなかったので一時追求を中止していた. ところが, その後Magniusら2, 3)はHB Ag陽性の供血者血清中に抗体があって, おなじくHB Ag陽性の血液透析をうけている患者血清に抗原が殊に高率にみいだされる新抗原抗体反応系を発見し, その抗原を“e抗原”と命名した. われわれの場合は, 供血者血清同士の反応であるので, これとは異なるものと考えていたが, その後の追求により, 極めてよく似ていることがわかったので簡単に報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.19.158