3歳児視覚健康診査における遠視度数の判定基準について
【目的】我々は、以前に3歳児健康診査におけるオートレフラクトメータによる屈折検査の有用性を報告した。今回、当院が参加している自治体での遠視の判定基準1.0Dの妥当性について検討を行ったので報告する。 【対象及び方法】対象は、平成11年6月から平成23年9月までに当院を受診した3歳以上5歳未満の幼児のうち、以下の条件を満たした42名。対象とした条件は、弱視・斜視の治療歴がないもの、恒常性の斜視がないもの、近視3.0D未満、乱視・不同視2.0D未満、調節麻痺薬の点眼前後で視力検査、屈折検査を実施できたものとした。方法は、据え置き型オートレフラクトメータにより自然瞳孔下で測定されたS面度数のうち各児...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 41; pp. 143 - 148 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2012
日本視能訓練士協会 |
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Summary: | 【目的】我々は、以前に3歳児健康診査におけるオートレフラクトメータによる屈折検査の有用性を報告した。今回、当院が参加している自治体での遠視の判定基準1.0Dの妥当性について検討を行ったので報告する。 【対象及び方法】対象は、平成11年6月から平成23年9月までに当院を受診した3歳以上5歳未満の幼児のうち、以下の条件を満たした42名。対象とした条件は、弱視・斜視の治療歴がないもの、恒常性の斜視がないもの、近視3.0D未満、乱視・不同視2.0D未満、調節麻痺薬の点眼前後で視力検査、屈折検査を実施できたものとした。方法は、据え置き型オートレフラクトメータにより自然瞳孔下で測定されたS面度数のうち各児の遠視側の方の眼の度数を用い、遠視の判定基準を1.0D及び2.0Dに設定した場合の弱視の検出数と偽陽性の数について比較検討した。 【結果】42名中弱視と診断された5名について、判定基準1.0Dでは全例が検出されたのに対し2.0Dでは1名が見逃される結果となった。偽陽性の数は、1.0Dの基準では16名中11名、2.0Dでは5名中1名のみであった。 【結論】遠視の判定基準1.0Dは妥当であることが示唆された。しかし、1.0Dの基準では検出率が高まる一方で偽陽性も多くなった。3歳児健康診査で屈折検査における遠視の判定基準を決定する場合、検出率と偽陽性について今後多数例での検討が必要である。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.041F112 |