咀嚼運動の再現

咀嚼は顎口腔系にとって重要な機能の一つである.今日では顎口腔機能を評価する手段として顎運動の重要性が認識されている.本研究では咀嚼運動を三次元運動として再現し観察できる顎運動再現システムを構築し, 被験者の咀嚼運動を観察することを目的とした.このシステムはディジタル方式6自由度顎運動測定器 (MM-JI) および顎運動再現器として用いる高精度6軸位置決めステージ (ヘキサポッド) で構成される.咀嚼運動は下顎限界運動範囲の限られた部分を使って行われるため, 顎運動再現器は下顎限界運動が再現できるように設定した.顎運動再現器はMM-JIで測定した顎運動データに基づいて, 被験者の歯列模型を動かし...

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Published in日本咀嚼学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 29 - 36
Main Authors 中野, 雅徳, 池田, 隆志, 重本, 修伺, 坂東, 永一, 佐藤, 裕, 薩摩, 登誉子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本咀嚼学会 25.12.1999
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ISSN0917-8090
1884-4448
DOI10.14858/soshaku1991.9.29

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Summary:咀嚼は顎口腔系にとって重要な機能の一つである.今日では顎口腔機能を評価する手段として顎運動の重要性が認識されている.本研究では咀嚼運動を三次元運動として再現し観察できる顎運動再現システムを構築し, 被験者の咀嚼運動を観察することを目的とした.このシステムはディジタル方式6自由度顎運動測定器 (MM-JI) および顎運動再現器として用いる高精度6軸位置決めステージ (ヘキサポッド) で構成される.咀嚼運動は下顎限界運動範囲の限られた部分を使って行われるため, 顎運動再現器は下顎限界運動が再現できるように設定した.顎運動再現器はMM-JIで測定した顎運動データに基づいて, 被験者の歯列模型を動かし咀嚼運動を高精度に再現できた. この顎運動再現システムを用いることで咀嚼時の顎運動および咬合接触をあらゆる方向から繰り返して観察することが可能となり, このシステムは顎口腔機能に関する研究に有用であるとともに教育的意義も大きいことが示された.
ISSN:0917-8090
1884-4448
DOI:10.14858/soshaku1991.9.29