レーザ・ドップラ流速計による人工弁の流れの解析:ポリウレタン三葉弁

現在開発中のコンデュイット型ポリウレタン三葉弁について, レーザ・ドップラ流速計を用いてin vitro拍動流下に弁下流の流速分布, 乱流強度分布, レイノルズ応力を求め流体力学的に解析した。弁に近い断面内では最大流速期に卓越した中心流が見られたが, 弁から離れるにつれて一様な流速分布に近づいた。各弁葉の開閉時相の違いによって偏った流速分布が見られた。また弁葉の交連部後方は低流速であった。加速期後期から中心流の周辺部で乱流強度は増大し, 減速期には中心部を含めた広い領域で強い乱流が見られ, その強度はBjörk-Shiley cc disk弁と同程度であった。レイノルズ応力は, 中心流の周辺部...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 2; pp. 741 - 744
Main Authors 関, 淳二, 中村, 孝夫, 梅津, 光生, 林, 紘三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1986
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Summary:現在開発中のコンデュイット型ポリウレタン三葉弁について, レーザ・ドップラ流速計を用いてin vitro拍動流下に弁下流の流速分布, 乱流強度分布, レイノルズ応力を求め流体力学的に解析した。弁に近い断面内では最大流速期に卓越した中心流が見られたが, 弁から離れるにつれて一様な流速分布に近づいた。各弁葉の開閉時相の違いによって偏った流速分布が見られた。また弁葉の交連部後方は低流速であった。加速期後期から中心流の周辺部で乱流強度は増大し, 減速期には中心部を含めた広い領域で強い乱流が見られ, その強度はBjörk-Shiley cc disk弁と同程度であった。レイノルズ応力は, 中心流の周辺部で400dyn/cm2を越える値を示したが, これは溶血に対するしきい値の1/10程度であった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.741