電気インピーダンス測定による人工心臓内血液量のリアルタイム計測

現在、臨床応用されている空気圧駆動ダイアフラム型人工心臓のポンプ内血液量をリアルタイムで計測するシステムを開発した。本システムはポンプ血液室両端に設置した電極間の電気インピーダンス(Z)が、ポンプ内血液量により変化することを利用する。国循型補助人工心臓の流入、流出側の金属コネクタを電極として使用し、この間に50kHz、0.4mAの電流を通電し、Z値を計測した。基礎実験より求めたZとポンプ内血液量の関係式は、種々の血液電気伝導率下で高い相関を示した(r>0.99)。模擬循環回路と山羊を用いた動物実験における検討で、本法による拍出量計測値と電磁流量計による計測値は良い直線相関を示した(r=0...

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Published in人工臓器 Vol. 21; no. 2; pp. 484 - 488
Main Authors 妙中, 義之, 広瀬, 一, 穴井, 博文, 佐々木, 栄作, 中谷, 武嗣, 高野, 久輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1992
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.21.484

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Summary:現在、臨床応用されている空気圧駆動ダイアフラム型人工心臓のポンプ内血液量をリアルタイムで計測するシステムを開発した。本システムはポンプ血液室両端に設置した電極間の電気インピーダンス(Z)が、ポンプ内血液量により変化することを利用する。国循型補助人工心臓の流入、流出側の金属コネクタを電極として使用し、この間に50kHz、0.4mAの電流を通電し、Z値を計測した。基礎実験より求めたZとポンプ内血液量の関係式は、種々の血液電気伝導率下で高い相関を示した(r>0.99)。模擬循環回路と山羊を用いた動物実験における検討で、本法による拍出量計測値と電磁流量計による計測値は良い直線相関を示した(r=0.98、p<0.01)。さらに8週間を越える動物実験の期間中、電極の変化等を生じず安定して計測し得た。またfull-fill to full-empty駆動にも適用できた。本法はポンプの駆動状態や拍出量のリアルタイムでの把握に有用で、実用上充分な信頼性を示した。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.21.484