集学的治療が奏効したEpstein-Barr virus関連胃癌の1例
症例は59歳,男性. 1994年7月初旬より心窩部痛あり上部消化管の精査にて胃噴門部後壁に5cm大の2型の腫瘍を認めた.生検では低分化型腺癌の診断であり8月9日胃全摘術,膵尾脾合併切除術を施行した.翌年肝臓に腫瘤を認め8月24日肝部分切除術を行い,病理学的検索にて過去に切除した胃原発巣と同様の組織像であった.またEBV encoded small RNAsを標的としたin situ hybrizationで癌細胞核に陽性を示し,リンパ上皮腫類似胃癌の診断であった.その後1996年に再び転移巣を認めたため動注化学療法を行いCRの判定を得た.また経過中1998年2月には骨転移を認めたため放射線治療...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 1; pp. 89 - 93 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.01.2003
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.64.89 |
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Summary: | 症例は59歳,男性. 1994年7月初旬より心窩部痛あり上部消化管の精査にて胃噴門部後壁に5cm大の2型の腫瘍を認めた.生検では低分化型腺癌の診断であり8月9日胃全摘術,膵尾脾合併切除術を施行した.翌年肝臓に腫瘤を認め8月24日肝部分切除術を行い,病理学的検索にて過去に切除した胃原発巣と同様の組織像であった.またEBV encoded small RNAsを標的としたin situ hybrizationで癌細胞核に陽性を示し,リンパ上皮腫類似胃癌の診断であった.その後1996年に再び転移巣を認めたため動注化学療法を行いCRの判定を得た.また経過中1998年2月には骨転移を認めたため放射線治療を行い,骨病変も,その後増大を認めなかった. 2000年4月1日脳梗塞で死亡した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.64.89 |