医用材料としての羊膜由来精製ヒト・コラーゲン膜の作成法

コラーゲン膜を作成するためヒト羊膜に対し酵素処理(0.01% ficin+0.02 M cysteine)または凍結処理(-30℃、-80℃、-190℃)またはdetergent処理(1% Triton X-100)を施した。細胞除去の程度および膜の物性を処理法別に比較した。Detergent処理で細胞は完全に除去できた。他の2つの処理では細胞の遺残を認めた。物性を比較するため、各処理を行った後1×3cmの短冊膜を作成し1点支持力(縫合糸にかかる最大張力)と、耐破断張力(両端を固定した最大張力)を測定した。湿潤状態での測定値の平均はそれぞれ未処理羊膜12.9gf、44.9gf、-30℃処理膜7...

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Published in人工臓器 Vol. 26; no. 1; pp. 219 - 224
Main Authors 山本, 恭通, 上田, 寛樹, 松本, 和也, 関根, 隆, 井上, 裕利, 鈴木, 京子, 津田, 透, 李, 永浩, 清谷, 哲也, 滝本, 行延, 中村, 達雄, 清水, 慶彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1997
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Summary:コラーゲン膜を作成するためヒト羊膜に対し酵素処理(0.01% ficin+0.02 M cysteine)または凍結処理(-30℃、-80℃、-190℃)またはdetergent処理(1% Triton X-100)を施した。細胞除去の程度および膜の物性を処理法別に比較した。Detergent処理で細胞は完全に除去できた。他の2つの処理では細胞の遺残を認めた。物性を比較するため、各処理を行った後1×3cmの短冊膜を作成し1点支持力(縫合糸にかかる最大張力)と、耐破断張力(両端を固定した最大張力)を測定した。湿潤状態での測定値の平均はそれぞれ未処理羊膜12.9gf、44.9gf、-30℃処理膜7.3gf、57.9gf、-80℃処理膜16.1gf、52.8gf、酵素処理膜13.5gf、33.9gf、detregent処理膜9.4gf、74.5gfであつた。-190℃処理膜は処理により破壊され測定不能であった。測定可能な膜の張力に有意差はなかった。処理膜に残留したdetergentはHPLCの検出限界(1×10-4vol%)以下であった。以上よりdetergent処理はヒト・コラーゲン膜の作成に優れていると思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.26.219