ハイブリッド型人工肝臓開発のためのブタ肝細胞の大量調整法の開発

初代培養肝細胞を用いる生物学的人工肝臓補助装置の開発には、中大動物肝細胞の大量調整法の開発が不可欠である。この論文では、20-25kgのブタから短時間で大量の単離肝細胞を分離する方法を開発したことを報告する。全身麻酔下で、門脈から前潅流に続いてディスパーゼ10,000単位添加0.05%コラゲナーゼ液で潅流し、胆のう剥離後肝臓を摘出した。さらに摘出肝を37。Cに加温しながら、0.05%コラゲナーゼ液で10分間潅流した。これにより、肝小葉断片と多少の単離細胞が得られた。この組織断片浮遊液をメッシュ4.7-100のふるいで分別濾過した。どのようなメッシュサイズの組み合わせでも常にメシュ30ふるいに多...

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Published in人工臓器 Vol. 25; no. 3; pp. 674 - 677
Main Authors 小出, 典男, 羽田, 元, 白羽, 英則, 氏家, 浩三, 中村, 正基, 真治, 紀之, 辻, 孝夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1996
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.25.674

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Summary:初代培養肝細胞を用いる生物学的人工肝臓補助装置の開発には、中大動物肝細胞の大量調整法の開発が不可欠である。この論文では、20-25kgのブタから短時間で大量の単離肝細胞を分離する方法を開発したことを報告する。全身麻酔下で、門脈から前潅流に続いてディスパーゼ10,000単位添加0.05%コラゲナーゼ液で潅流し、胆のう剥離後肝臓を摘出した。さらに摘出肝を37。Cに加温しながら、0.05%コラゲナーゼ液で10分間潅流した。これにより、肝小葉断片と多少の単離細胞が得られた。この組織断片浮遊液をメッシュ4.7-100のふるいで分別濾過した。どのようなメッシュサイズの組み合わせでも常にメシュ30ふるいに多量の肝小葉断片が詰まり貯留した。さらにコラゲナーゼ液を追加して、37℃で約10分間軽く振蕩することにより容易にふるいを通過した。この方法により、20-25kgのブタより約100gの単離肝細胞が肝潅流開始から約2時間で回収された。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.25.674