薬物療法不応性の神経疾患に対するEvaflux®2次フィル.ターを用いた血漿二重濾過法の有用性
薬物療法不応性の神経疾患に対し, 血漿二重濾過法(DFPP)を施行し, その有用性を検討した。対象症例は, 重症筋無力症(MG), 慢性脱髄性炎症性多発神経炎(CIDP)各2例を含む計10例で, いずれも薬物療法を3週以上試みたが無効であった。DFPPは, 2次filterとしてEvaflux®を用い, 血漿を2l処理し, 週1~3回, 計248回施行した。DFPPの臨床的効果は, 6例で症状の著しい改善と早期のDFPPの離脱を認め, 他の4例も症状の改善を認めたが, CIDPの2例では, 22ケ月と16ケ月間DFPPを施行した。DFPP前後で血清IgG値は, 41%減少し, Evaflux...
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Published in | 人工臓器 Vol. 20; no. 1; pp. 273 - 279 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1991
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.20.273 |
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Summary: | 薬物療法不応性の神経疾患に対し, 血漿二重濾過法(DFPP)を施行し, その有用性を検討した。対象症例は, 重症筋無力症(MG), 慢性脱髄性炎症性多発神経炎(CIDP)各2例を含む計10例で, いずれも薬物療法を3週以上試みたが無効であった。DFPPは, 2次filterとしてEvaflux®を用い, 血漿を2l処理し, 週1~3回, 計248回施行した。DFPPの臨床的効果は, 6例で症状の著しい改善と早期のDFPPの離脱を認め, 他の4例も症状の改善を認めたが, CIDPの2例では, 22ケ月と16ケ月間DFPPを施行した。DFPP前後で血清IgG値は, 41%減少し, Evaflux 3Aでは, 2Aに比して, 血清IgG値の減少は少なかったが, 減少率は十分であり, 血清蛋白のlossが少なかった。またDFPP離脱後の血清IgG値は, 5例で最終DFPP前値のレベルを維持していた。薬物不応性の神経疾患に対し, Evafluxを2次filterに用いたDFPPは, 簡便で, 神経症状の改善に有用であり, 特にEvaflux 3Aは, 十分なIgG除去と血清蛋白のlossが少ない点で有用と思われた。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.20.273 |