Interval appendectomyを施行した高齢者の腫瘤形成性虫垂炎の1例

患者は72歳の女性で慢性関節リウマチの既往があった。食欲低下, 下腹部痛, 発熱を認め, 定期外来受診時の緊急腹部CTで回盲部腫瘤を認め当科に紹介された。右下腹部に弾性硬の手拳大腫瘤が触知され同部周囲に圧痛と反跳痛とを認めた。血液検査で高度の炎症所見を認め, CTで右下腹部に長径約8cm大で一部が右腸腰筋と連続する腫瘤を認めた。急性虫垂炎による回盲部膿瘍を疑ったが, 慢性関節リウマチの治療中であり拡大手術になった場合の危険性が高いと判断しinterval appendectornyを計画した。抗生剤投与で腫瘤は劇的に縮小し腹部所見, 画像所見も著明に改善した。再燃予防と確定診断目的で加療開始後...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 26; no. 7; pp. 911 - 915
Main Authors 小林, 成行, 脇, 直久, 伊野, 英男, 高橋, 三奈, 徳毛, 誠樹, 村上, 正和, 内藤, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2006
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.26.911

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Summary:患者は72歳の女性で慢性関節リウマチの既往があった。食欲低下, 下腹部痛, 発熱を認め, 定期外来受診時の緊急腹部CTで回盲部腫瘤を認め当科に紹介された。右下腹部に弾性硬の手拳大腫瘤が触知され同部周囲に圧痛と反跳痛とを認めた。血液検査で高度の炎症所見を認め, CTで右下腹部に長径約8cm大で一部が右腸腰筋と連続する腫瘤を認めた。急性虫垂炎による回盲部膿瘍を疑ったが, 慢性関節リウマチの治療中であり拡大手術になった場合の危険性が高いと判断しinterval appendectornyを計画した。抗生剤投与で腫瘤は劇的に縮小し腹部所見, 画像所見も著明に改善した。再燃予防と確定診断目的で加療開始後30日目に手術を施行した。傍腹直筋切開で開腹したところ虫垂は腸間膜および後腹膜に癒着していたが剥離可能であり, 腫瘍や遺残膿瘍は認めず虫垂炎と判断し虫垂切除術のみを施行した。術後は合併症なく経過し術後9日目に退院となった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.26.911