初代培養肝細胞を用いた積層型ハイブリッド型人工肝開発の現状
初代培養肝細胞を充填した積層型ハイブリッド人工肝の開発状況とbioreactorとして使用する各種の培養肝細胞機能及び臨床応用面での課題について検討した。肝全摘動物を用いた同種並びに異種灌流では、人工肝群の平均生存時間は、対照群に比し有意に延長した。培養ブタ肝細胞は、L-15培地中および100%血漿中で2週間の培養が可能で良好な各種肝細胞機能の発現とアミノ酸是正能を示した。103名の健常成人には、7例(6.8%)に毒性の抗ブタ肝細胞抗体を認めた。ゲル間培養法は、灌流下で肝機能の発現に優れていた。ヒト肝細胞の単離には、混合酵素灌流法が有効で、120分の温阻血肝組織から単離・培養が可能であった。以...
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Published in | 人工臓器 Vol. 24; no. 3; pp. 827 - 830 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.06.1995
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.24.827 |
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Summary: | 初代培養肝細胞を充填した積層型ハイブリッド人工肝の開発状況とbioreactorとして使用する各種の培養肝細胞機能及び臨床応用面での課題について検討した。肝全摘動物を用いた同種並びに異種灌流では、人工肝群の平均生存時間は、対照群に比し有意に延長した。培養ブタ肝細胞は、L-15培地中および100%血漿中で2週間の培養が可能で良好な各種肝細胞機能の発現とアミノ酸是正能を示した。103名の健常成人には、7例(6.8%)に毒性の抗ブタ肝細胞抗体を認めた。ゲル間培養法は、灌流下で肝機能の発現に優れていた。ヒト肝細胞の単離には、混合酵素灌流法が有効で、120分の温阻血肝組織から単離・培養が可能であった。以上より、積層型ハイブリッド人工肝は、肝不全の有力な治療システムと考えられ、bioreactorとして、ブタ肝細胞が、また、将来的にはヒト肝細胞の応用が期待される結果であった。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.24.827 |