抗52 kDSS-A/Ro抗体陽性の妊婦から生まれた先天性完全心ブロックの1例

先天性完全心ブロック(CCHB)の1例を報告する.患者は38歳女性,妊娠21週3日に胎児不整脈を指摘され当センター入院となった.患者は膠原病様症状はなかった.入院時検査成績では,抗核抗体,抗SS-A/Ro抗体,抗52 kDSS-A/Ro抗体陽性であった.しかし,抗60 kDSS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体は陰性であった.患者はCCHBの患児を出産し,患児は生後2カ月にペースメーカーを装着した.以上の結果より本例においては,抗52 kDSS-A/Ro抗体がCCHBの発症に関連あることを示唆する症例だと考えられた....

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 20; no. 5; pp. 437 - 441
Main Authors 中山, 雅弘, 野田, 智恵子, 矢原, 健, 宮野, 章, 宮道, 徹, 木戸口, 公一, 篠原, 康二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 31.10.1997
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.20.437

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Summary:先天性完全心ブロック(CCHB)の1例を報告する.患者は38歳女性,妊娠21週3日に胎児不整脈を指摘され当センター入院となった.患者は膠原病様症状はなかった.入院時検査成績では,抗核抗体,抗SS-A/Ro抗体,抗52 kDSS-A/Ro抗体陽性であった.しかし,抗60 kDSS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体は陰性であった.患者はCCHBの患児を出産し,患児は生後2カ月にペースメーカーを装着した.以上の結果より本例においては,抗52 kDSS-A/Ro抗体がCCHBの発症に関連あることを示唆する症例だと考えられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.20.437