若年者の腰・背部痛の原因となった類骨骨腫の2例
腰・背部痛を主訴として整形外科を受診する患者は多いが, その中で良性腫瘍によるものは比較的まれである. 今回29歳男性の胸椎および16歳男性の腰椎に発生した類骨骨腫を経験したのでその診断的治療経過を報告する. 2症例とも病巣部位に叩打痛を認めたが, 他に神経学的な異常はなく, また類骨骨腫に特徴的な夜間痛は顕著ではなかったが, 本症の疹痛に効果があるとされるアスピリンは著効した. これら2症例は確定診断までに長期間を要し, 1例目では, 初診から手術を受けるまでに一年半を, 2例目も他院での初診時から半年後に単純X線像で異常が出現し, 当院に紹介されている. 脊椎発生の類骨骨腫が腰・背部痛の原...
Saved in:
Published in | 医療 Vol. 54; no. 7; pp. 316 - 320 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.07.2000
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.54.316 |
Cover
Summary: | 腰・背部痛を主訴として整形外科を受診する患者は多いが, その中で良性腫瘍によるものは比較的まれである. 今回29歳男性の胸椎および16歳男性の腰椎に発生した類骨骨腫を経験したのでその診断的治療経過を報告する. 2症例とも病巣部位に叩打痛を認めたが, 他に神経学的な異常はなく, また類骨骨腫に特徴的な夜間痛は顕著ではなかったが, 本症の疹痛に効果があるとされるアスピリンは著効した. これら2症例は確定診断までに長期間を要し, 1例目では, 初診から手術を受けるまでに一年半を, 2例目も他院での初診時から半年後に単純X線像で異常が出現し, 当院に紹介されている. 脊椎発生の類骨骨腫が腰・背部痛の原因となる頻度は高くないが, 若年者において, 炎症所見に乏しく, 安静治療にて改善しない痙痛の原因に類骨骨腫を念頭に置くことが必要であると思われた. |
---|---|
ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.54.316 |