造血幹細胞移植後の晩期障害の検討

神奈川県立こども医療センターで造血幹細胞移植を施行し, 1年以上無病生存中の29症例を対象として, 身長, 内分泌機能について検討した.その結果, 年少時に全身照射 (以下TBI) を受けたものほど, 移植後の身長の伸びが悪かった.造血幹細胞移植後の甲状腺機能低下に関しては, 移植前に頭蓋照射を受けている群で発症頻度が高かった.性腺機能低下は男女ともに, 前処置にかかわらず高頻度に認められており, 特に女児で高かった.造血幹細胞移植後の成長障害, 内分泌学的機能低下といった晩期障害に対する治療の適応を考慮すべく, 今後も慎重な経過観察が必要である....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 13; no. 6; pp. 442 - 447
Main Authors 西平, 浩一, 康, 勝好, 豊田, 恭徳, 大沼, 圭, 石河, 由佳, 石川, 久美子, 石田, 裕二, 本多, 康次郎, 気賀沢, 寿人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.1999
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.13.442

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Summary:神奈川県立こども医療センターで造血幹細胞移植を施行し, 1年以上無病生存中の29症例を対象として, 身長, 内分泌機能について検討した.その結果, 年少時に全身照射 (以下TBI) を受けたものほど, 移植後の身長の伸びが悪かった.造血幹細胞移植後の甲状腺機能低下に関しては, 移植前に頭蓋照射を受けている群で発症頻度が高かった.性腺機能低下は男女ともに, 前処置にかかわらず高頻度に認められており, 特に女児で高かった.造血幹細胞移植後の成長障害, 内分泌学的機能低下といった晩期障害に対する治療の適応を考慮すべく, 今後も慎重な経過観察が必要である.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.13.442