免疫吸着

われわれの開発して来た免疫吸着材IM-PHおよびIM-TRの基礎的研究および臨床的評価を中心に一般的な免疫吸着法について言及する。 IM-PH, IM-TRの構造は, いずれもポリビニールアルコールゲルの担体に, リガンドとして, 前者はフェニルアラニン, 役者はトリプトファンを固定化したアフィニィティ吸着材である。IM-PHとIM-TRはProtein A sepharose CL4Bより免疫複合体を多く吸着することが基礎的バッチ法吸着比較実験で確認され, 選択性も良好であった。IM-TRは抗アセチルコリンレセプター抗体を高率に吸着し, 重症筋無力症に有効であった。慢性関節リウマチ, 全身エ...

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Published in人工臓器 Vol. 17; no. 2; pp. 422 - 425
Main Authors 山崎, 善弥, 金井, 福栄, 平石, 守, 出月, 康夫, 井上, 昇, 山脇, 直邨, 稲垣, 健二, 津田, 信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1988
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Summary:われわれの開発して来た免疫吸着材IM-PHおよびIM-TRの基礎的研究および臨床的評価を中心に一般的な免疫吸着法について言及する。 IM-PH, IM-TRの構造は, いずれもポリビニールアルコールゲルの担体に, リガンドとして, 前者はフェニルアラニン, 役者はトリプトファンを固定化したアフィニィティ吸着材である。IM-PHとIM-TRはProtein A sepharose CL4Bより免疫複合体を多く吸着することが基礎的バッチ法吸着比較実験で確認され, 選択性も良好であった。IM-TRは抗アセチルコリンレセプター抗体を高率に吸着し, 重症筋無力症に有効であった。慢性関節リウマチ, 全身エリテーマトーデスへの臨床応用において血漿交換に準ずる効果が得られた。免疫吸着法が血漿交換にとって代り, いろいろな免疫疾患に応用され, その治療ならびに病態生理の解明に有用であることが期待される。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.17.422