特発性上腸間膜動脈解離の1治験例

上腹部痛にて発症した特発性上腸間膜動脈解離症例に対して,大動脈-上腸間膜動脈バイパス術(大伏在静脈グラフト)を行った.本疾患は急性期診断がむずかしい疾患とされていたが,本例では腹部超音波検査により診断することが可能であり,超音波検査の有用性を再認した.手術術式では動脈瘤化した解離腔の切除と腸管への血流温存を目的とし,上腸間膜動脈起始部(動脈瘤化した解離腔を含む)切除と大動脈-上腸間膜動脈バイパス術を施行した.術後2年を経過したが腸管虚血の症状はまったく認められず良好な結果を得ている....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 19; no. 1; pp. 25 - 27
Main Authors 上山, 武史, 湖東, 慶樹, 鈴木, 衛, 富川, 正樹, 橋本, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 1989
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.19.25

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Summary:上腹部痛にて発症した特発性上腸間膜動脈解離症例に対して,大動脈-上腸間膜動脈バイパス術(大伏在静脈グラフト)を行った.本疾患は急性期診断がむずかしい疾患とされていたが,本例では腹部超音波検査により診断することが可能であり,超音波検査の有用性を再認した.手術術式では動脈瘤化した解離腔の切除と腸管への血流温存を目的とし,上腸間膜動脈起始部(動脈瘤化した解離腔を含む)切除と大動脈-上腸間膜動脈バイパス術を施行した.術後2年を経過したが腸管虚血の症状はまったく認められず良好な結果を得ている.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.19.25