シェーグレン症候群小唾液腺の免疫組織学的検討: B細胞サブセットの解析を中心に

シェーグレン症候群患者18例の口唇小唾液腺について免疫組織学的検討を加えた.浸潤リンパ球はリンパ球浸潤の弱い症例ではT細胞優位であったが,浸潤が強くなるにしたがいT細胞集籏とB細胞集籏の両方を認めた. T細胞中では,浸潤の強さにかかわらずCD4陽性のT細胞がCD8陽性のT細胞に比して優位であった. CD4陽性T細胞とB細胞の各集籏域は隣接するか,あるいは混在して認められた.リンパ球浸潤の強い症例では,同一のB細胞集籏内において, CD21陽性B細胞とCD23陽性B細胞がともに認められ,一部の症例ではさらに活性化B細胞マーカーであるB5抗原も陽性であった.一方で,間質にはCD14陽性HLA-DR...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 13; no. 6; pp. 537 - 543
Main Authors 池田, 和正, 立石, 睦人, 宮坂, 信之, 橋本, 純子, 橋本, 亙, 佐藤, 和人, 柏崎, 禎夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 1990
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.13.537

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Summary:シェーグレン症候群患者18例の口唇小唾液腺について免疫組織学的検討を加えた.浸潤リンパ球はリンパ球浸潤の弱い症例ではT細胞優位であったが,浸潤が強くなるにしたがいT細胞集籏とB細胞集籏の両方を認めた. T細胞中では,浸潤の強さにかかわらずCD4陽性のT細胞がCD8陽性のT細胞に比して優位であった. CD4陽性T細胞とB細胞の各集籏域は隣接するか,あるいは混在して認められた.リンパ球浸潤の強い症例では,同一のB細胞集籏内において, CD21陽性B細胞とCD23陽性B細胞がともに認められ,一部の症例ではさらに活性化B細胞マーカーであるB5抗原も陽性であった.一方で,間質にはCD14陽性HLA-DR抗原陽性の細胞が散在性に認められた.これらの結果から,シェーグレン症候群では, HLA-DR抗原を発現した上皮細胞やマクロファージと浸潤T細胞との間の免疫応答の亢進とそれに引き続くB細胞の活性化が唾液腺病変形成に深く関与しているものと推測された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.13.537