小腸内視鏡検査が有用であったPeutz-Jeghers症候群の1例

腸重積の術後に小腸内視鏡下にポリープ切除を行ったPeutz-Jeghers症候群の1例を報告する.症例は41歳,女性.腹痛のため他院で保存的治療を行ったが,軽快せず転院となった. CT上腸重積と診断され,周期的な腹痛が増強したため緊急手術を行った.小腸に重積部位を認め,多発する小腸ポリープを触知したため,重積解除および長径10mm以上のポリープ計3個を切除した.病理組織学的所見で過誤腫性ポリープであり,口唇や四肢の色素沈着および家族歴からPeutz-Jeghers症候群と診断した.術後の経過は良好で退院した後,小腸内視鏡検査を施行し,同様の過誤腫性ポリープを切除しえた.本疾患ではポリープの増大...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 1; pp. 93 - 96
Main Authors 村上, 昌裕, 大西, 直, 加納, 寿之, 中野, 芳明, 矢野, 浩司, 門田, 卓士
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.01.2006
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Summary:腸重積の術後に小腸内視鏡下にポリープ切除を行ったPeutz-Jeghers症候群の1例を報告する.症例は41歳,女性.腹痛のため他院で保存的治療を行ったが,軽快せず転院となった. CT上腸重積と診断され,周期的な腹痛が増強したため緊急手術を行った.小腸に重積部位を認め,多発する小腸ポリープを触知したため,重積解除および長径10mm以上のポリープ計3個を切除した.病理組織学的所見で過誤腫性ポリープであり,口唇や四肢の色素沈着および家族歴からPeutz-Jeghers症候群と診断した.術後の経過は良好で退院した後,小腸内視鏡検査を施行し,同様の過誤腫性ポリープを切除しえた.本疾患ではポリープの増大による腸重積の再発や癌化の可能性があり,小腸内視鏡検査による経過観察が有用であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.93