骨髄壊死を初発症状として発症した小児急性リンパ性白血病の1例

骨髄壊死を初発症状として発症した急性リンパ性白血病 (ALL) の小児例を報告する.症例は4歳女児で, 発熱と下肢痛を主訴に当科に入院した.入院時には汎血球減少およびLDHの上昇を認めたが, 骨髄穿刺では壊死細胞しか得られず診断困難であった.約1カ月後の骨髄穿刺では壊死細胞はほとんど消失し, 骨髄はリンパ芽球で占められており, FAB (L1), B-precursorALLと診断した.化学療法により順調に寛解が得られ, ALL診断後23カ月間, 寛解を維持している.骨髄壊死は生存中に診断されることはまれであり, 一般に予後不良の徴候と考えられている.しかし, 骨髄壊死を初発症状として発症する...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 15; no. 6; pp. 474 - 478
Main Authors 堀部, 敬三, 近藤, 勝, 小島, 勢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.2001
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.15.474

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Summary:骨髄壊死を初発症状として発症した急性リンパ性白血病 (ALL) の小児例を報告する.症例は4歳女児で, 発熱と下肢痛を主訴に当科に入院した.入院時には汎血球減少およびLDHの上昇を認めたが, 骨髄穿刺では壊死細胞しか得られず診断困難であった.約1カ月後の骨髄穿刺では壊死細胞はほとんど消失し, 骨髄はリンパ芽球で占められており, FAB (L1), B-precursorALLと診断した.化学療法により順調に寛解が得られ, ALL診断後23カ月間, 寛解を維持している.骨髄壊死は生存中に診断されることはまれであり, 一般に予後不良の徴候と考えられている.しかし, 骨髄壊死を初発症状として発症することが小児ALLでは時にみられ, 予後不良とは相関しないものと考えられた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.15.474