所属リンパ節にサルコイド反応を伴った進行食道癌の1例

症例, 57歳男性.平成15年4月上旬から通過障害あり, 5月に当院受診. LtAe領域3型の進行食道癌, T4N2 stage IIIと診断した. 5-FU, CDDPを用いた化学放射線療法を先行した. 40Gy照射終了時の効果判定でPRは得られたが, down stagingは得られなかった. 20Gyの追加照射でdown stagingが得られ,切除可能と判断した. 8月, 3領域郭清を伴う胸部食道全摘,後縦隔経路胃管頸部食道吻合術を施行した.病理組織所見は変性扁平上皮癌pT3N0 stage IIで明らかなviable cellはなく, ly2v1,化学放射線療法の効果はgrade 3...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 63 - 68
Main Authors 加野, 将之, 落合, 武徳, 岡住, 慎一, 谷口, 徹志, 大平, 学, 松井, 芳文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.63

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Summary:症例, 57歳男性.平成15年4月上旬から通過障害あり, 5月に当院受診. LtAe領域3型の進行食道癌, T4N2 stage IIIと診断した. 5-FU, CDDPを用いた化学放射線療法を先行した. 40Gy照射終了時の効果判定でPRは得られたが, down stagingは得られなかった. 20Gyの追加照射でdown stagingが得られ,切除可能と判断した. 8月, 3領域郭清を伴う胸部食道全摘,後縦隔経路胃管頸部食道吻合術を施行した.病理組織所見は変性扁平上皮癌pT3N0 stage IIで明らかなviable cellはなく, ly2v1,化学放射線療法の効果はgrade 3であった.また所属リンパ節に転移はなかったがサルコイド反応が著明であった.全身性のサルコイドーシスを示唆する所見はなく,食道癌所属リンパ節のサルコイド反応と思われた.食道癌の所属リンパ節のサルコイド反応はほとんど報告がなく,稀な病態と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.63