低充填量の人工肺Capiox SXの臨床使用経験、特にガス交換能、熱交換能の観点から

新しい膜型人工肺であるCapioxSX(テルモ社)を臨床使用する機会を得た。10歳から77歳(平均56.1歳)までの18例(男性9例、女性9例)に対して使用した。人工心肺時間は71から260分(平均162、9±50.3)、大動脈遮断時間は29から151分(平均84.1±33.5)であった。最初の6例については、有効肺血流量(Qp/Qt)と二酸化炭素較差分圧比(dCO2/PaCO2)を測定したが、Capiox II 54肺に比べ同等かそれ以上のガス交換能が確認された。以後の12例では動脈血ガス分析のデータを検討したが、冷却時、安定期、加温期いずれにおいても安定したpH、PaO2、PaCO2の値が...

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Published in人工臓器 Vol. 23; no. 1; pp. 255 - 258
Main Authors 合田, 俊宏, 安田, 慶秀, 松居, 喜郎, 朝田, 政克, 椎谷, 紀彦, 佐久間, まこと, 大場, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1994
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.23.255

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Summary:新しい膜型人工肺であるCapioxSX(テルモ社)を臨床使用する機会を得た。10歳から77歳(平均56.1歳)までの18例(男性9例、女性9例)に対して使用した。人工心肺時間は71から260分(平均162、9±50.3)、大動脈遮断時間は29から151分(平均84.1±33.5)であった。最初の6例については、有効肺血流量(Qp/Qt)と二酸化炭素較差分圧比(dCO2/PaCO2)を測定したが、Capiox II 54肺に比べ同等かそれ以上のガス交換能が確認された。以後の12例では動脈血ガス分析のデータを検討したが、冷却時、安定期、加温期いずれにおいても安定したpH、PaO2、PaCO2の値が得られた。さらに人工心肺開始から直腸温が30℃に達するまでの時間も平均11.1分と短く、熱交換性能も良好であった。脱血、送血に伴う循環血液量の変化に対する静脈リザーバーのレベルの変化も応答が速く、循環血液量のコントロールが安全かつ迅速に行い得た。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.23.255