多孔質ポリウレタン性小口径人工血管の治癒過程
2種類の多孔質のポリウレタン性人工血管(内径1.5mm), すなわち漏水率2.7ml/min/cm2の人工血管(PUG-2.7)と漏水率39ml/min/cm2の人工血管(PUG-39)を作製した(spray, phase-inversion technique)。それらをラットの腹部大動脈に端々吻合で植え込んだ(長さ1.5-2.0cm, PUG-2,7:n=23, PUG-39:n=17)。さらに, PUG-39では長さ10cmのループ状グラフトとして同モデルに植え込んだ(n;1)。PUG-2.7では2週間後の開存率が73%(8/11)であった。しかし, 3ケ月後では開存率は8%(1/12)...
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Published in | 人工臓器 Vol. 22; no. 2; pp. 495 - 499 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1993
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Summary: | 2種類の多孔質のポリウレタン性人工血管(内径1.5mm), すなわち漏水率2.7ml/min/cm2の人工血管(PUG-2.7)と漏水率39ml/min/cm2の人工血管(PUG-39)を作製した(spray, phase-inversion technique)。それらをラットの腹部大動脈に端々吻合で植え込んだ(長さ1.5-2.0cm, PUG-2,7:n=23, PUG-39:n=17)。さらに, PUG-39では長さ10cmのループ状グラフトとして同モデルに植え込んだ(n;1)。PUG-2.7では2週間後の開存率が73%(8/11)であった。しかし, 3ケ月後では開存率は8%(1/12)に低下し, 開存していた1例において新生内膜肥厚があり, グラフト中央部には内皮細胞を認めなかった。材料壁内部への宿主細胞侵入は少なかった。PUG-39では3ケ月後の開存率が76%(13/17)であった。1例を除く全開存例で内腔面全体に及ぶ内皮細胞被覆を伴った均一な新生内膜形成が見られた。材料壁内部は基質化していた。ループ状グラフトも開存しており, 内皮細胞化を伴う, 新生内膜が両吻合部から連続的に, また中央部では多数の島状となって認められた。以上より, 漏水率のより高いポリウレタン性小口径人工血管が優れた開存性と高治癒性を示すことが判明した。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.22.495 |