新しい大動脈一時バイパス用シャントの開発

ヘパリンレスでバイパスできる大動脈一時バイパス用のシャントを開発するためには, 材料自身の抗血栓性が優れていることは勿論, 成形方法およびシャントの設計が重要となる。血液をバイパスする時, 血球成分に損傷を与えることなく充分な血流量を維時すると同時にカニュレーションを容易にすることを考慮すると, シャント両端から内径が中央部に向ってあるテーパーをもって広がるシャントが必要となる。動物実験用に両端内径3.1mm, 中央部内径4.8mm, 長さ70cmのポリ塩化ビニル性チューブの内面と, 両端外面7cmをTM-3でコートしたバイパスシャントを用い雑種成犬10頭を用いバイパス実験を行った所, バイパ...

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Published in人工臓器 Vol. 14; no. 2; pp. 721 - 724
Main Authors 村山, 健, 桜井, 靖久, 筒井, 宣政, 片岡, 一則, 岡野, 光夫, 平山, 統一, 野尻, 知里, 青見, 茂之, 山岸, 正秀, 田中, 昌和, 小柳, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1985
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.14.721

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Summary:ヘパリンレスでバイパスできる大動脈一時バイパス用のシャントを開発するためには, 材料自身の抗血栓性が優れていることは勿論, 成形方法およびシャントの設計が重要となる。血液をバイパスする時, 血球成分に損傷を与えることなく充分な血流量を維時すると同時にカニュレーションを容易にすることを考慮すると, シャント両端から内径が中央部に向ってあるテーパーをもって広がるシャントが必要となる。動物実験用に両端内径3.1mm, 中央部内径4.8mm, 長さ70cmのポリ塩化ビニル性チューブの内面と, 両端外面7cmをTM-3でコートしたバイパスシャントを用い雑種成犬10頭を用いバイパス実験を行った所, バイパス流量400~500ml/minでシャント前後の圧較差が65mmHgと小さく, バーゲン・ボアズイユの式から計算した値とよく一致した。ヘパリンレスで5時間バイパス後のシャント内面には血栓やフィブリン網の形成は全く認められなかった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.14.721