補助循環用超小型ポータブル遠心ポンプの開発とその性能評価

補助循環用超小型ポータブル遠心ポンプを開発し、実用化のための性能評価および動物実験を行った。シール方式として、インペラ裏面にシールノーズを適当な荷重で押しあてる回転シール方式の採用により、in vitro試験において、ポンプ回転数5,000rpm、全揚程120mmHgの条件下で、200時間の無リーク運転を確認できた。また、同条件下での牛血を用いた溶血試験において、ポンプ吐出量100lあたりの遊離ヘモグロビン量は0.048gと許容値の半分以下の値となった。ただし、成犬を用いた左心バイパス実験では、特にポンプの前後差圧条件により十分な吐出量が得られない場合に許容値を上回る溶血が発生し、今後の検討課...

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Published in人工臓器 Vol. 18; no. 2; pp. 543 - 546
Main Authors 二宮, 淳一, 相澤, 猛, 能勢, 之彦, 庄司, 佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1989
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.18.543

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Summary:補助循環用超小型ポータブル遠心ポンプを開発し、実用化のための性能評価および動物実験を行った。シール方式として、インペラ裏面にシールノーズを適当な荷重で押しあてる回転シール方式の採用により、in vitro試験において、ポンプ回転数5,000rpm、全揚程120mmHgの条件下で、200時間の無リーク運転を確認できた。また、同条件下での牛血を用いた溶血試験において、ポンプ吐出量100lあたりの遊離ヘモグロビン量は0.048gと許容値の半分以下の値となった。ただし、成犬を用いた左心バイパス実験では、特にポンプの前後差圧条件により十分な吐出量が得られない場合に許容値を上回る溶血が発生し、今後の検討課題となった。一方、LAP、CVP、APおよび赤血球数、白血球数、血小板数、ヘマトクリット値、赤血球抵抗は、左心バイパス実験中ほぼ一定値を維持した。 今後、問題点をクリアした後、長時間の動物実験による性能評価が必要である。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.18.543