Carpentier-Edwards牛心膜弁の左心系代用弁としての評価

Carpentier-Edwards牛心膜弁が使用されて12年が経過したので、左心系の代用弁としての遠隔成績、適応について報告する。対象は1985年4月から1994年3月までに置換したA弁位32例、M位48例で最長12年の遠隔成績を検討した。弁関連合併症は、A弁位でPVE:2、人工弁構造的劣化(ST):1、M弁位ではPVE:5、ST:6、血栓塞栓症:1であった。12年のactuarial freedom from STはA弁位94%、M弁位52%であった。しかし60歳以上の症例ではA弁位100%、M弁位82%であった。STの原因は石灰化と弁尖硬化によるマウント部分のずれであった。以上より従来か...

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Published in人工臓器 Vol. 27; no. 1; pp. 174 - 177
Main Authors 高原, 善治, 須藤, 義夫, 砂澤, 徹, 佐藤, 敏朗, 中村, 常太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1998
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Summary:Carpentier-Edwards牛心膜弁が使用されて12年が経過したので、左心系の代用弁としての遠隔成績、適応について報告する。対象は1985年4月から1994年3月までに置換したA弁位32例、M位48例で最長12年の遠隔成績を検討した。弁関連合併症は、A弁位でPVE:2、人工弁構造的劣化(ST):1、M弁位ではPVE:5、ST:6、血栓塞栓症:1であった。12年のactuarial freedom from STはA弁位94%、M弁位52%であった。しかし60歳以上の症例ではA弁位100%、M弁位82%であった。STの原因は石灰化と弁尖硬化によるマウント部分のずれであった。以上より従来から述べられている出産を希望する若い女性、抗凝固療法が困難な例および平均余命を考慮して70歳以上の高齢者はA弁位だけでなくM弁位においても良い適応になると思われる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.27.174