小口径人工血管における抗血栓性の意義
現在開発あるいは実用化されている人工血管めうちで抗血栓性の優れた内径3mmのexpanded polytetra fluoroethylene graft (EPTFE), 同径のsegmented polyurethane graft (SP)の抗血栓性を111In-oxine platelet scintigraphy(血小板シンチ)を用いて比較検討し, さらに移植後の人工血管に組織学的検討を加えて以下の結果を得た。抗血栓性は, 移植直後から48時間までに集積した血小板を定量的測定することにより評価した。SPの血小板集積はEPTFEに比べて有意に高値であった。また, 生体動脈の血小板集積は...
Saved in:
Published in | 人工臓器 Vol. 20; no. 2; pp. 615 - 619 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1991
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.20.615 |
Cover
Summary: | 現在開発あるいは実用化されている人工血管めうちで抗血栓性の優れた内径3mmのexpanded polytetra fluoroethylene graft (EPTFE), 同径のsegmented polyurethane graft (SP)の抗血栓性を111In-oxine platelet scintigraphy(血小板シンチ)を用いて比較検討し, さらに移植後の人工血管に組織学的検討を加えて以下の結果を得た。抗血栓性は, 移植直後から48時間までに集積した血小板を定量的測定することにより評価した。SPの血小板集積はEPTFEに比べて有意に高値であった。また, 生体動脈の血小板集積はSP, EPTFEに比べて極めて低値を示した。SPはEPTFEより開存性が良好であったが, フィブリンを主体とした安定した蛋白膜の形成が開存性の向上に重要な役割を果たしていると推測された。 |
---|---|
ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.20.615 |