E-PTFEによる静脈血行再建術の実験的研究

vein graftとして2サイズのPTIFEを成犬20頭の無名静脈-右房(右心耳)間に吻合し術後最長1年間生存した13頭につき, 移植graftの開存率, 狭窄度及び病理学的検討を行った。その結果, 開存率は62%で, 高度吻合部狭窄を2例に認めた。両サイズに差は認められなかった。感染所見が46%に認められたがbacteriaの外膜側からgraft内への進入は両サイズのgraftとも過半数で阻止されていた。吻合部の過形成は過半数に軽度~中等度に認められ, かつ中央側で血栓形成初期像と考えられる所見が認められた。またgraft内への間葉系細胞の進入は1例を除き程度の差はあれ認められた。内皮細胞...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 1; pp. 371 - 374
Main Authors 山手, 昇, 二宮, 淳一, 児玉, 行弘, 鈴木, 辰生, 松島, 伸治, 庄司, 佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1986
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.15.371

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Summary:vein graftとして2サイズのPTIFEを成犬20頭の無名静脈-右房(右心耳)間に吻合し術後最長1年間生存した13頭につき, 移植graftの開存率, 狭窄度及び病理学的検討を行った。その結果, 開存率は62%で, 高度吻合部狭窄を2例に認めた。両サイズに差は認められなかった。感染所見が46%に認められたがbacteriaの外膜側からgraft内への進入は両サイズのgraftとも過半数で阻止されていた。吻合部の過形成は過半数に軽度~中等度に認められ, かつ中央側で血栓形成初期像と考えられる所見が認められた。またgraft内への間葉系細胞の進入は1例を除き程度の差はあれ認められた。内皮細胞の形成は46%に認められた。なお1例でgraft内面に軟骨細胞を認めたが, その発生機序は今後の精査を必要とした。以上より本graftは症例を選べば静脈graftとして, 使用できるものと考えられる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.371