原発性両側乳癌症例の臨床的検討

1968年から1998年までの30年間に当教室で経験した乳癌手術例709例のうち,原発性両側乳癌症例は33例4.7%であった.このうち,同時性症例は11例1.6%,異時性症例は22例3.1%であった.以下,両側乳癌と一側乳癌を臨床的に比較し検討した. 異時性第一癌の手術時平均年齢は42.9歳と他と比較し有意に若かった.両側乳癌は癌家族歴,重複癌を有するものが多かった.異時性第二癌を腫瘤として自覚したものは80%であり,同時性乳癌を両側とも自覚できたもの27%と比較し有意に多かった. 5年生存率は,一側性で86.9%,同時性で88.9%,異時性で76.7%であった. 以上より,対側乳腺に対し,腫...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 1; pp. 11 - 16
Main Authors 大城, 望史, 片岡, 健, 角舎, 学行, 杉, 桂二, 高橋, 護, 春田, るみ, 浅原, 利正, 土肥, 雪彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.01.2000
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Summary:1968年から1998年までの30年間に当教室で経験した乳癌手術例709例のうち,原発性両側乳癌症例は33例4.7%であった.このうち,同時性症例は11例1.6%,異時性症例は22例3.1%であった.以下,両側乳癌と一側乳癌を臨床的に比較し検討した. 異時性第一癌の手術時平均年齢は42.9歳と他と比較し有意に若かった.両側乳癌は癌家族歴,重複癌を有するものが多かった.異時性第二癌を腫瘤として自覚したものは80%であり,同時性乳癌を両側とも自覚できたもの27%と比較し有意に多かった. 5年生存率は,一側性で86.9%,同時性で88.9%,異時性で76.7%であった. 以上より,対側乳腺に対し,腫瘤の早期発見と治療が重要であることを再認識した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.61.11