左心バイパスポンプの冠血流からみた至適補助率に関する実験的研究
近年, 機械的補助循環法の進歩は著明であり, 左心バイパス法の臨床応用も開始されている。しかしながら, その離脱時の条件, 方法などは未知であり, 今回低流量補助時の各種重要臓器の反応について検討した。ブタに心筋梗塞を作成して心不全とし, この時点の心拍出量を基準として, その10%~60%までの流量補助をLVADで行い, 冠静脈洞血流量, 腎および頸動脈血流量の変化を測定した。その結果, 左心バイパスポンプの補助流量・補助率の増加にともなって, 左室のDecompression効果およびDiastolic augmentation効果は著明に増加した。心拍出量に対する冠静脈洞血流量の比は,...
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Published in | 人工臓器 Vol. 15; no. 2; pp. 491 - 494 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
1986
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.15.491 |
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Summary: | 近年, 機械的補助循環法の進歩は著明であり, 左心バイパス法の臨床応用も開始されている。しかしながら, その離脱時の条件, 方法などは未知であり, 今回低流量補助時の各種重要臓器の反応について検討した。ブタに心筋梗塞を作成して心不全とし, この時点の心拍出量を基準として, その10%~60%までの流量補助をLVADで行い, 冠静脈洞血流量, 腎および頸動脈血流量の変化を測定した。その結果, 左心バイパスポンプの補助流量・補助率の増加にともなって, 左室のDecompression効果およびDiastolic augmentation効果は著明に増加した。心拍出量に対する冠静脈洞血流量の比は, 補助率の増加とともに必ずしも増加せず, 補助率40%前後で最大値を有した。また, 腎動脈および頸動脈血流量の心拍出量に対する比は, 補助率の増加にともなって増加傾向を示すが, 40%以上の補助では定常状態に達した。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.15.491 |