大孔径PMMA膜が多臓器不全患者の各種メディエーターに及ぼす影響
大孔径polyrnethyl rnethacrylate (PMMA) 膜を用いて, 各種メディエーターに及ぼす影響を検討した. 対象は集中治療部で持続血液濾過透析を行った多臓器不全患者13名とした。患者を大孔径PMMA膜 (平均孔径100A) 群7例と通常径PMMA膜 (平均孔径70A) 群6例に分け検討した. 測定項目は穎粒球エラスターゼ, ミエロペルオキシターゼ, IL-6およびIL1とし, その濃度変化およびクリアランス等を測定した. 大孔径PMMA膜での穎粒球エラスターゼのクリアランスは-12.1±27.3ml/minと, 通常径PMMA膜-1.9±17.2ml/minと差はなかった...
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Published in | 人工臓器 Vol. 28; no. 2; pp. 561 - 565 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.04.1999
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Summary: | 大孔径polyrnethyl rnethacrylate (PMMA) 膜を用いて, 各種メディエーターに及ぼす影響を検討した. 対象は集中治療部で持続血液濾過透析を行った多臓器不全患者13名とした。患者を大孔径PMMA膜 (平均孔径100A) 群7例と通常径PMMA膜 (平均孔径70A) 群6例に分け検討した. 測定項目は穎粒球エラスターゼ, ミエロペルオキシターゼ, IL-6およびIL1とし, その濃度変化およびクリアランス等を測定した. 大孔径PMMA膜での穎粒球エラスターゼのクリアランスは-12.1±27.3ml/minと, 通常径PMMA膜-1.9±17.2ml/minと差はなかった.ミエロペルオキシターゼは濾液中に排出されなかった. 大孔径膜でのIL-6の血液側からみたクリアランスは, 2時間では4.9±5.0ml/minであり, 通常孔径膜では11.6±5.3ml/minと差はなかった. ILIは測定感度以下の症例が多かった. 大孔径PMMA膜は, 今回測定したメディエーターの排出に関しては通常孔径PMMA膜との差は認められなかった. 他の物質についてはさらなる検討が必要であろう. |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.28.561 |