当センターにおける乳児白血病13例の造血幹細胞移植成績

乳児白血病は予後不良であり, 著者らは当初から造血幹細胞移植 (SCT) を取り入れ治療成績の向上をめざしてきた.1992年12月から1998年10月までに, 急性リンパ性白血病9例 (11q23異常あるいはMLL遺伝子再構成を認めるもの6例), 急性非リンパ性白血病5例, NK細胞性白血病1例の計15例を経験した.初期の5症例には全身照射を含まない移植前処置にて自家骨髄移植 (ABMT) を施行したが, 4例に再発を認めたため, この4例と後の8例には全身照射を含む強化した前処置にて同種SCTを施行した.SCTを施行した13例中6例が寛解を維持しており, とくに乳児ALL8例中5例が寛解中で...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 14; no. 6; pp. 385 - 390
Main Authors 河, 敬世, 岡村, 隆行, 雀部, 誠, 坂田, 尚己, 井上, 雅美, 八木, 啓子, 岸本, 朋子, 安井, 昌博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.2000
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.14.385

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Summary:乳児白血病は予後不良であり, 著者らは当初から造血幹細胞移植 (SCT) を取り入れ治療成績の向上をめざしてきた.1992年12月から1998年10月までに, 急性リンパ性白血病9例 (11q23異常あるいはMLL遺伝子再構成を認めるもの6例), 急性非リンパ性白血病5例, NK細胞性白血病1例の計15例を経験した.初期の5症例には全身照射を含まない移植前処置にて自家骨髄移植 (ABMT) を施行したが, 4例に再発を認めたため, この4例と後の8例には全身照射を含む強化した前処置にて同種SCTを施行した.SCTを施行した13例中6例が寛解を維持しており, とくに乳児ALL8例中5例が寛解中であり (観察期間20-75カ月), 前処置を強化したSCTは乳児A±LLの治療に有用であると思われる.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.14.385