左心補助人工心臓臨床例における問題点と限界

本邦における補助人工心臓の臨床応用は, 現在までに百数十例に及び急速な症例数の増加が認められている。しかしながら離脱率は比較的良好にもかかわらず, 長期生存率は低く, 臨床的問題を数多く有している。今回, 自験例13例中左心補助を行った11例に対し, 問題点とその対策および限界について検討を行った。 うち重要と思われる結論として, ポンプ・カニューレは現在ほぼ満足しうるレベルまできたが, ポンプサイズ, カニューレ形態, 太さ, 内蔵人工弁などについては今後の改善に期待されると考えられた。また適応については可及的速かに行うが, VADの効果の限界を越える症例が少なからず存在し, 厳重な注意を要...

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Published in人工臓器 Vol. 18; no. 2; pp. 462 - 466
Main Authors 長谷川, 隆光, 折目, 由紀彦, 畑, 博明, 陸川, 秀智, 塩野, 元美, 瀬在, 幸安, 大平, 政人, 進藤, 正二, 北村, 信三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1989
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.18.462

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Summary:本邦における補助人工心臓の臨床応用は, 現在までに百数十例に及び急速な症例数の増加が認められている。しかしながら離脱率は比較的良好にもかかわらず, 長期生存率は低く, 臨床的問題を数多く有している。今回, 自験例13例中左心補助を行った11例に対し, 問題点とその対策および限界について検討を行った。 うち重要と思われる結論として, ポンプ・カニューレは現在ほぼ満足しうるレベルまできたが, ポンプサイズ, カニューレ形態, 太さ, 内蔵人工弁などについては今後の改善に期待されると考えられた。また適応については可及的速かに行うが, VADの効果の限界を越える症例が少なからず存在し, 厳重な注意を要する。またVAD適応の周辺の時期のすべてにわたり感染やMOFの予防に常に努力が必要であるなどの結語を得た。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.18.462