保育所・幼稚園における子どもの収容人数と自動体外式除細動器(AED)の設置および使用に関する実態調査

本研究の目的は保育所・幼稚園におけるAEDの設置状況を明らかにし,医療者による教育的支援モデルを検討する資料を得ることである。対象はA県内の1180施設の施設長宛てにAED設置に関する自記式質問紙を配布し,調査の協力が得られた449施設(回収率:40.5%,有効回答率:93.5%)である。質問紙を集計した結果,回答が得られた449施設のうち,AEDを設置している施設は121施設(26.9%)であった。また,AEDの設置は子どもの収容人数が400人以上の乳幼児施設は,100人以下の乳幼児施設より,AEDの設置率が有意に高いことがわかった。さらに,AEDを設置している121すべての乳幼児施設におい...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 25; no. Supplement; pp. 271 - 275
Main Authors 永田, 智子, 山下, 麻実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 16.12.2016
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.25.Supplement_271

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Summary:本研究の目的は保育所・幼稚園におけるAEDの設置状況を明らかにし,医療者による教育的支援モデルを検討する資料を得ることである。対象はA県内の1180施設の施設長宛てにAED設置に関する自記式質問紙を配布し,調査の協力が得られた449施設(回収率:40.5%,有効回答率:93.5%)である。質問紙を集計した結果,回答が得られた449施設のうち,AEDを設置している施設は121施設(26.9%)であった。また,AEDの設置は子どもの収容人数が400人以上の乳幼児施設は,100人以下の乳幼児施設より,AEDの設置率が有意に高いことがわかった。さらに,AEDを設置している121すべての乳幼児施設において,AEDの設置は2005年以降であり,これまでにAEDの使用がないことも明らかになった。これらの結果より,AEDの管理,取り扱いを含む小児一次救命処置の練習状況などの調査を継続し,子どもの安全を守るために医療と保育が連携していく必要性が示唆された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.25.Supplement_271