第18回 臨床不整脈研究会 完全大血管転位症に対するMustard手術14年後に発症した心房粗動の高周波カテーテルアブレーションに成功した1例
症例は22歳,女性.完全大血管転位症と診断され,8歳時にMustard手術を施行.2005年5月動悸と立ちくらみを主訴に来院.12誘導心電図で周期270ms,II,III,aVF,V1,V6誘導で陽性F波を呈する心房粗動が認められ,心臓電気生理学的検査を行った.粗動中のentrainment mappingでは解剖学的右房峡部周辺でpost-pacing interval(PPI)が粗動周期とほぼ一致し,上大静脈や解剖学的左房側では延長しており,本頻拍は三尖弁輪-下大静脈間峡部依存性心房粗動と診断.右房峡部に術後patchが存在するため,まず経静脈的に下大静脈側峡部に焼灼ラインを作成したが頻拍...
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Published in | 心臓 Vol. 38; no. Supplement4; pp. 147 - 152 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2006
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_147 |
Cover
Summary: | 症例は22歳,女性.完全大血管転位症と診断され,8歳時にMustard手術を施行.2005年5月動悸と立ちくらみを主訴に来院.12誘導心電図で周期270ms,II,III,aVF,V1,V6誘導で陽性F波を呈する心房粗動が認められ,心臓電気生理学的検査を行った.粗動中のentrainment mappingでは解剖学的右房峡部周辺でpost-pacing interval(PPI)が粗動周期とほぼ一致し,上大静脈や解剖学的左房側では延長しており,本頻拍は三尖弁輪-下大静脈間峡部依存性心房粗動と診断.右房峡部に術後patchが存在するため,まず経静脈的に下大静脈側峡部に焼灼ラインを作成したが頻拍に影響を与えず,次に経大動脈的に解剖学的右室を経由して三尖弁輪側峡部にアプローチした.Targetとなる弁輪部にカテーテルを留置した瞬間,bump現象で頻拍は停止し同部位の追加焼灼によってブロックライン作成に成功した.その後,心房粗動の再発なく経過している. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_147 |