第14回臨床不整脈研究会 2つの起源の運動誘発心室頻拍を有した高校サッカー選手

症例は17歳男性.サッカーの練習中に動悸発作出現.右脚ブロックに右軸偏位を伴う心室頻拍が確認された.電気生理学的検査(以下EPS)にて左脚前枝の心室付着部付近が起源の特発性心室頻拍(以下IVT)と診断,左室前壁中隔で記録されたPurkinje電位を指標にカテーテルアブレーション(以下CA)を施行し,誘発不能となった.約1週間後,練習中に再び動悸発作があった.右脚ブロックに左軸偏位を伴う心室頻拍であった.EPSで左室後中隔に起源を同定し,CAにて誘発不能となった.その際バスケットカテーテルの電位をQMS mapping systemにて解析した.本システムは起源同定に有用であった.右脚ブロック左...

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Published in心臓 Vol. 34; no. Supplement4; pp. 132 - 137
Main Authors 原田, 智雄, 新井, まり子, 南家, 俊彦, 渡辺, 義之, 宮津, 修, 三宅, 良彦, 龍, 祥之助, 桜井, 庸晴, 高木, 明彦, 中沢, 潔, 長田, 圭三, 岸, 良示
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2002
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.34.Supplement4_132

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Summary:症例は17歳男性.サッカーの練習中に動悸発作出現.右脚ブロックに右軸偏位を伴う心室頻拍が確認された.電気生理学的検査(以下EPS)にて左脚前枝の心室付着部付近が起源の特発性心室頻拍(以下IVT)と診断,左室前壁中隔で記録されたPurkinje電位を指標にカテーテルアブレーション(以下CA)を施行し,誘発不能となった.約1週間後,練習中に再び動悸発作があった.右脚ブロックに左軸偏位を伴う心室頻拍であった.EPSで左室後中隔に起源を同定し,CAにて誘発不能となった.その際バスケットカテーテルの電位をQMS mapping systemにて解析した.本システムは起源同定に有用であった.右脚ブロック左軸偏位型心室頻拍はVerapamil感受性VTとしてよく知られているが,右脚ブロック右軸偏位型心室頻拍は比較的少ない.同一症例に2つの軸特性を持つ頻拍が見られることは稀と考え報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.34.Supplement4_132