内側側頭葉てんかん術前検査におけるMEG再検の有用性

目的:内側側頭葉てんかん(MTLE)症例の術前検査におけるMEG再検の有用性を検討する.方法:MTLEの術前検査においてMEGを行った82例(男性42例,女性40例;手術時10~66歳,平均30.9歳)を対象とした.術前に行ったMEG回数,各MEG検査における所見,結論について検討した.MEG所見については,いわゆるMTLEパターン(anterior horizontal or vertical pattern),その他の集積,所見無し/ノイズなどで分類し,MEGによる結論については,5段階(1. MTLE確定,2. MTLE疑い,3. TLE,4. 側方性のみ,5. 結論不可)で評価した.結...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Proc; pp. 665 - 666
Main Authors 白水, 洋史, 増田, 浩, 福多, 真史, 亀山, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:目的:内側側頭葉てんかん(MTLE)症例の術前検査におけるMEG再検の有用性を検討する.方法:MTLEの術前検査においてMEGを行った82例(男性42例,女性40例;手術時10~66歳,平均30.9歳)を対象とした.術前に行ったMEG回数,各MEG検査における所見,結論について検討した.MEG所見については,いわゆるMTLEパターン(anterior horizontal or vertical pattern),その他の集積,所見無し/ノイズなどで分類し,MEGによる結論については,5段階(1. MTLE確定,2. MTLE疑い,3. TLE,4. 側方性のみ,5. 結論不可)で評価した.結果:術前に行ったMEG回数は1回(42例,51.2%),2回(31例,37.8%),3回(9例,11.0%)であった.1回目MEGでMTLE確定ないし疑いの結論が得られたのは27例(32.9%)であり,結論不可は38例(46.3%)であった.MEG再検で,MTLE確定ないし疑いの結論が得られたのは,2回目で18例(45%),3回目で1例(11.1%)であった.MEG再検により評価がグレードアップしたものは19例(47.5%)であり,最終的にMTLE確定/疑いとなったのは40例(49.3%),TLE疑いも含めると50例(61.6%)であった.結論:MEG再検により診断率が向上することが示された.現在本邦では,MEGは患者1人に付き1回しか保険算定できないが,2回目以降の検査も保険算定できることが望まれる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.665