第16回心臓性急死研究会 運動時に失神を来したBrugada型ST上昇を示す特発性心室細動の1例

19歳男性.家族歴に突然死.以前より運動時に脈の不整や動悸を自覚していたが放置していた.バスケットの試合中に胸部不快感が出現し失神,当院救急搬送となる.冠動脈造影では有意狭窄病変を認めず,アセチルコリン負荷試験陰性であった.心筋生検では炎症所見や心筋症を示唆する所見や,心臓MRIでの異常所見を認めなかった.心臓電気生理検査を施行.コントロールでは心房,心室刺激ともに頻拍は誘発されず,イソプロテレノール持続点滴下に右室心尖部からの早期刺激により心室細動が誘発された.Pilsicainide静注によりBrugada症候群に類似する右側胸部誘導のcoved型ST上昇を認めた.特発性心室細動としてIC...

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Published in心臓 Vol. 36; no. Supplement3; pp. 124 - 129
Main Authors 五十嵐, 正樹, 小林, 建三郎, 岡野, 喜史, 正林, 浩高, 大塚, 崇之, 山崎, 純一, 高村, 和大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2004
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.36.Supplement3_124

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Summary:19歳男性.家族歴に突然死.以前より運動時に脈の不整や動悸を自覚していたが放置していた.バスケットの試合中に胸部不快感が出現し失神,当院救急搬送となる.冠動脈造影では有意狭窄病変を認めず,アセチルコリン負荷試験陰性であった.心筋生検では炎症所見や心筋症を示唆する所見や,心臓MRIでの異常所見を認めなかった.心臓電気生理検査を施行.コントロールでは心房,心室刺激ともに頻拍は誘発されず,イソプロテレノール持続点滴下に右室心尖部からの早期刺激により心室細動が誘発された.Pilsicainide静注によりBrugada症候群に類似する右側胸部誘導のcoved型ST上昇を認めた.特発性心室細動としてICD植え込み術を施行した.Naチャネル遮断薬負荷によりBrugada症候群類似の心電図変化をみた特発性心室細動を経験し報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.36.Supplement3_124