第12回心臓性急死研究会 Amiodarone大量投与と抗頻拍ペーシングの併用が有効であった難治性心室細動の1例

症例は60歳男性.呼吸困難,チアノーゼを主訴に当院救急外来受診し入院.来院時心不全を呈したが,入院時断層心エコー図では前壁中隔領域の壁運動低下と左室瘤を認めた.第5病日より心室細動(VF)が出現し救命救急センター入室.入室後からVFが頻回に出現したため電気的除細動を行い予防的にmexiletine, lidocaine, procainamideを併用したが効果なかった.冠動脈造影では左前下行枝近位部に造影遅延を伴う不完全閉塞の所見を認め,PTCAおよびステント留置を行った.Amiodarolle 800mg/日を開始したが,さらにVFが持続するため,1,200mg/日まで増量し,抗頻拍ペーシ...

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Published in心臓 Vol. 32; no. Supplement5; pp. 131 - 134
Main Authors 石盛, 博, 笹本, 修一, 五十嵐, 正樹, 大石, 知実, 宇野, 成明, 上嶋, 権兵衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2000
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.Supplement5_131

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Summary:症例は60歳男性.呼吸困難,チアノーゼを主訴に当院救急外来受診し入院.来院時心不全を呈したが,入院時断層心エコー図では前壁中隔領域の壁運動低下と左室瘤を認めた.第5病日より心室細動(VF)が出現し救命救急センター入室.入室後からVFが頻回に出現したため電気的除細動を行い予防的にmexiletine, lidocaine, procainamideを併用したが効果なかった.冠動脈造影では左前下行枝近位部に造影遅延を伴う不完全閉塞の所見を認め,PTCAおよびステント留置を行った.Amiodarolle 800mg/日を開始したが,さらにVFが持続するため,1,200mg/日まで増量し,抗頻拍ペーシングを併用した.その後VFの出現なく,心不全も軽快し一般病棟に転棟した.今回,VFの原因としては左室瘤が考えられ,心筋梗塞の関与が考えられた.最終的にamiodarone大量投与と抗頻拍ペーシングの併用が有効であった難治性VFの1例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.Supplement5_131