第19回 心臓性急死研究会 持続性心房細動および心室頻拍に対してソタロールが有効であった心尖部心室瘤を伴う心室細動蘇生例

症例は62歳,男性.労作時呼吸困難のため近医受診し心房細動(Af)を指摘された.ピルジカイニドの内服が開始となったが,通勤中に意識消失しbystanderCPRを受けた.救急隊到着後,心室細動(VF)に対して電気的除細動が行われ蘇生された.心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄はなく,スパズム誘発も認めなかった.左室造影で心尖部心室瘤を認めたが,心室遅延電位は陰性であった.心室プログラム刺激で血行動態不良の心室頻拍(VT)が複数誘発されたが,ニフェカラントおよびプロカインアミドは無効だった.AfはVFに対する電気的除細動では洞調律に復しなかったが,検査中の直流通電で洞調律に復した.植込み型除細...

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Published in心臓 Vol. 39; no. Supplement3; pp. 106 - 111
Main Authors 高野, 誠, 弓場, 隆生, 日吉, 康長, 櫻田, 春水, 谷井, 博亘, 手島, 保, 平岡, 昌和, 辰本, 明子, 久次米, 真吾, 深水, 誠二, 小宮山, 浩大, 山口, 博明, 岡崎, 英隆, 田邊, 康宏, 迫田, 邦裕, 西崎, 光弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2007
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.Supplement3_106

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Summary:症例は62歳,男性.労作時呼吸困難のため近医受診し心房細動(Af)を指摘された.ピルジカイニドの内服が開始となったが,通勤中に意識消失しbystanderCPRを受けた.救急隊到着後,心室細動(VF)に対して電気的除細動が行われ蘇生された.心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄はなく,スパズム誘発も認めなかった.左室造影で心尖部心室瘤を認めたが,心室遅延電位は陰性であった.心室プログラム刺激で血行動態不良の心室頻拍(VT)が複数誘発されたが,ニフェカラントおよびプロカインアミドは無効だった.AfはVFに対する電気的除細動では洞調律に復しなかったが,検査中の直流通電で洞調律に復した.植込み型除細動器(ICD)植え込み後,Afが再発しICDによる除細動後も再発するためソタロールの投与を行ったところ心房ペーシング調律が維持できた.また,ソタロール内服下の心室プログラム刺激でVTの誘発は抑制され,本症例ではソタロールがAf・VTの双方に有効であったものと考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.Supplement3_106