第14回心臓性急死研究会 運動誘発性心室頻拍を契機に診断された成人期Bland-White-Garland症候群の1例

【症例】20歳,女性.生後4カ月,感冒様症状を契機に心不全を発症し,特発性心筋症と診断され,以後経過観察されていた.18歳時に失神発作の既往があり,2001年1月Treadmill運動負荷試験中に心室頻拍(VT)が出現し,当院内科入院.12誘導心電図は正常洞調律で,心エコー図も異常なくLVEF71.8%であったが,右冠動脈造影により発達した吻合枝を介して左冠動脈,続いて肺動脈が造影され,BlandWhite-Garland症候群と診断した.電気生理学的検査ではVTは誘発されなかった.大動脈-肺動脈吻合+自己心膜を用いた肺動脈主幹部再建(竹内法)を施行.術後冠動脈造影では左右冠動脈吻合枝が消失し...

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Published in心臓 Vol. 34; no. Supplement3; pp. 109 - 113
Main Authors 三田村, 康仁, 臼田, 和生, 大倉, 誓一郎, 打越, 学, 永田, 義毅, 石川, 忠夫, 畑崎, 喜芳, 星野, 修一, 小坂, 由道, 東, 隆, 西谷, 泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2002
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Summary:【症例】20歳,女性.生後4カ月,感冒様症状を契機に心不全を発症し,特発性心筋症と診断され,以後経過観察されていた.18歳時に失神発作の既往があり,2001年1月Treadmill運動負荷試験中に心室頻拍(VT)が出現し,当院内科入院.12誘導心電図は正常洞調律で,心エコー図も異常なくLVEF71.8%であったが,右冠動脈造影により発達した吻合枝を介して左冠動脈,続いて肺動脈が造影され,BlandWhite-Garland症候群と診断した.電気生理学的検査ではVTは誘発されなかった.大動脈-肺動脈吻合+自己心膜を用いた肺動脈主幹部再建(竹内法)を施行.術後冠動脈造影では左右冠動脈吻合枝が消失し,運動誘発性VTも消失した.成人期BWG症候群は比較的稀な疾患であるが,自覚症状なく不整脈突然死を来す場合があり,注意を要する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.34.Supplement3_109