植物科学・農学におけるAI協働研究の現状と今後の活用性

今や人工知能(AI)の時代と言われて久しく、未だ夢物語が飛び交いつつも、かなり理解が進み適用も多くなってきたと感じる。他方、植物科学・農学におけるAI研究はお世辞にも盛んであるとは言えず、よく言えば、伸びしろがあるとも言える。本著では、AIの基礎的な部分から紹介を行っていくが、説明可能なAI (explainable-AI)という概念が実装されたことにより、単なる予測ツールからAI観点の解釈を科学に持ち込めるようになった。ここでは植物科学における、よくある画像解析だけでなく、遺伝配列を用いた解析においてもどのような研究が可能なのかを、その実例を追いながら紹介を進めていくとともに、ChatGPT...

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Published inJSBi Bioinformatics Review Vol. 5; no. 2; pp. 28 - 34
Main Author 赤木, 剛士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会 2024
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Summary:今や人工知能(AI)の時代と言われて久しく、未だ夢物語が飛び交いつつも、かなり理解が進み適用も多くなってきたと感じる。他方、植物科学・農学におけるAI研究はお世辞にも盛んであるとは言えず、よく言えば、伸びしろがあるとも言える。本著では、AIの基礎的な部分から紹介を行っていくが、説明可能なAI (explainable-AI)という概念が実装されたことにより、単なる予測ツールからAI観点の解釈を科学に持ち込めるようになった。ここでは植物科学における、よくある画像解析だけでなく、遺伝配列を用いた解析においてもどのような研究が可能なのかを、その実例を追いながら紹介を進めていくとともに、ChatGPTやAlphaFoldシリーズの鍵となるTransformerの特性なども併せて解説する。正しいAIへの理解が浸透すれば、その使い道・活用法だけでなく、脆弱性やロバスト性に配慮した幅広い解析が可能になるだろう。
ISSN:2435-7022
DOI:10.11234/jsbibr.2024.primer1