第18回 臨床不整脈研究会 一過性完全房室ブロックにBrugada型心電図を合併した1例

症例:65歳,男性.1991年51歳時に再発性失神発作を認め,一過性完全房室ブロックの診断にてDDDペースメーカー植え込み術を施行された.2005年4月,心室リードの被膜損傷による上肢の筋攣縮が出現したため,再移植術目的に入院した.入院時心電図は洞調律,右脚ブロックタイプの自己QRS波を示し,超音波検査上,心機能は正常であった.加算平均心電図における遅延電位RMS40が4.0μVと陽性であり,ピルジカイニド負荷試験を行ったところ右側胸部誘導におけるcoved型ST変化をきたした.心室プログラム刺激にて再現性ある心室細動の誘発を認め,Brugada症候群と診断した.ペースメーカー再移植の予定を変...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 38; no. Supplement4; pp. 119 - 124
Main Authors 弓場, 隆生, 小泉, 章子, 櫻田, 春水, 谷井, 博亘, 手島, 保, 平岡, 昌和, 田辺, 康宏, 橋本, 祐二, 辰本, 明子, 小宮山, 浩大, 山口, 博明, 岡崎, 英隆, 酒井, 毅, 呉, 正次, 西崎, 光弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_119

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例:65歳,男性.1991年51歳時に再発性失神発作を認め,一過性完全房室ブロックの診断にてDDDペースメーカー植え込み術を施行された.2005年4月,心室リードの被膜損傷による上肢の筋攣縮が出現したため,再移植術目的に入院した.入院時心電図は洞調律,右脚ブロックタイプの自己QRS波を示し,超音波検査上,心機能は正常であった.加算平均心電図における遅延電位RMS40が4.0μVと陽性であり,ピルジカイニド負荷試験を行ったところ右側胸部誘導におけるcoved型ST変化をきたした.心室プログラム刺激にて再現性ある心室細動の誘発を認め,Brugada症候群と診断した.ペースメーカー再移植の予定を変更し,新規に植込み型除細動器移植術を行った. 結語:一過性完全房室ブロックに対するペースメーカー治療経過中にBrugada症候群と診断し,植込み型除細動器移植術を行った1例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.38.Supplement4_119