[第31回日本嚥下医学会]中咽頭再建術後の嚥下機能

中咽頭側壁癌の切除再建を行った12例を対象とし,術後の鼻咽腔閉鎖機能と摂食. 嚥下機能について検討した。11例で軟口蓋の一部 (8例で1/2以上) が合併切除され,全例で舌根の一部が合併切除された。8例で術後60Gy以上の放射線照射が施行された。再建に用いた皮弁は遊離前外側大腿皮弁が10例,遊離腹直筋皮弁が2例であり, 11例でGehanno法を用い, 8例で舌根側の縫縮を行った。術後のblowing ratioは平均88.3% (30,0-100%) と良好な鼻咽腔閉鎖機能を温存できた。MTFスコアは平均12.3点 (9-15点) と良好であり,全例で経口摂取が可能であった。適切な縫縮を行う...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 54; no. 6Supplement2; pp. S189 - S198
Main Authors 成田, 圭吾, 中川, 雅裕, 赤澤, 聡, 松村, 崇, 川人, 龍夫, 鬼塚, 哲郎, 海老原, 充, 飯田, 善幸, 上條, 朋之, 田沼, 明, 神田, 亨, 山下, 亜依子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 2008
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Summary:中咽頭側壁癌の切除再建を行った12例を対象とし,術後の鼻咽腔閉鎖機能と摂食. 嚥下機能について検討した。11例で軟口蓋の一部 (8例で1/2以上) が合併切除され,全例で舌根の一部が合併切除された。8例で術後60Gy以上の放射線照射が施行された。再建に用いた皮弁は遊離前外側大腿皮弁が10例,遊離腹直筋皮弁が2例であり, 11例でGehanno法を用い, 8例で舌根側の縫縮を行った。術後のblowing ratioは平均88.3% (30,0-100%) と良好な鼻咽腔閉鎖機能を温存できた。MTFスコアは平均12.3点 (9-15点) と良好であり,全例で経口摂取が可能であった。適切な縫縮を行うことで皮弁のvolumeに頼らずに鼻咽,患側下部口峡の狭小化を行い,嚥下圧の低下を防ぐとともに食塊が健側を通過するように誘導し,さらに皮弁の露出面積をできるだけ減らすことができ,良好な成績につながっていると考えた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.54.6Supplement2_S189